もちくず倉庫

気になって調べたものをおくところ

本の食べ物「ミンスパイ」

私はひねくれものなのでこの季節にミンスパイの記事を書きますが、紹介するものは昨年の12月に食べたものです。クリスマスの時期以外には販売されていないと思いますので、ご注意ください。

 

ミンスパイとは、りんご、ぶどう、レモン等のドライフルーツでつくったミンス・ミートを入れた独特の形のパイで、イギリスでクリスマスに食べられているものです。

かつて「ミンス・ミート」にはその名のとおり肉が入っていましたが、徐々に現代の甘いパイに変化したそうです。

イギリスのクリスマスには欠かせないもののようで、いろいろな小説に出てきます。何かは忘れたのですが子どもの頃からちょくちょく目にしていて、最近読んだものだとデイヴィッド・ミッチェルの『クラウド・アトラス』に登場していました。

 

クラウド・アトラス』も面白いのですが、私が紹介したいのは19世紀イギリスの作家エリザベス・ギャスケルの『シルヴィアの恋人たち』。

シルヴィアという美しい田舎娘と二人の男性の恋愛模様を軸にすえた歴史小説です。

恋愛と言ってもそこに書かれているのはキラキラした美しいものではなく、行き違いや失敗。そうしてシルヴィアたちが運命に翻弄される様子を通して、人間の生き様が表されています。

シャーロット・ブロンテの友人で彼女の伝記を書いたことでも知られるギャスケルですが、小説も面白いのでぜひもっと広く読まれてほしい。私が強く推している作家の一人です。

 

ミンスパイが出てくるのは、シルヴィアの友人の家で開かれる大晦日のパーティのシーン。

ミンスパイはクリスマスに食べるものと言いましたが、調べてみたら正確には12/25から1/6まで1日1個ずつ食べるものだそうです。

なので大晦日のパーティにもミンスパイが登場するんですね。

 

市ヶ谷にあるSwan & Lionというイギリス料理のデリ&ベーカリーでミンスパイも売られているとのことで、12月に行ってみました。

このお店のミンスパイは直径5~6cmくらい。レシピ本を何冊か見ましたがどれも5cmか6cmの型を使うとあるので、一般的なサイズのようです。

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スパイスの効果かとても後をひく味で、具がぎっしり入っていて食べごたえがあるのに、目の前にたくさん積んであったらつい次々に食べてしまいそうです。私はすごく好きです。

 

ローズベーカリーというお店にもミンスパイがあったので食べてみました。

こちらも6cmくらいの大きさですが、上に乗っているパイ生地の形がちょっと違います。

ミンスパイのこの独特の形は、キリストのゆりかごやおくるみを模したものだそうです。

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スパイスの味はあまり感じられませんが、具に入っている柑橘系の果物(オレンジ?)がアクセントになっています。

具にボリュームがあるうえパイ皮も厚く、こちらもサイズから予想するより食べごたえがあります。