調べたものおきば

気になって調べたものをおくところ

私宅監置のこと

私宅監置についての本を読んだりちょっと調べたりしていました。

いわゆる座敷牢とイコールのものと考えていたのですが、ちょっと違うようです。

 

私宅監置は、1900年に公布された精神病者監護法によって定められたもので、『時代がつくる「狂気」』(朝日新聞社 2007.7)の第1章「治療の場をめぐる精神医療史」(橋本明)によると、

 

「居住環境の比較的よい「座敷」で行われることは少なかったという点」

「「座敷牢」が私的な都合あるいはせいぜい地方単位の規則にもとづいて管理されていたのに対して、私宅監置は近代日本が定めた国家的な制度であった点」(p.60)

  

が、それ以前の江戸時代等に行われていた座敷牢と本質的に異なる点だと書かれています。

患者の数に対し精神病院の数が少なかったため、自宅に部屋をつくりそこで患者を監護するような制度ができたようです。

 

調べてまとめようかとも最初思ったのですが、専門家が記した資料が既にたくさんある分野なのでやめました。

 

参考に読んだ資料を紹介します。

 

『時代がつくる「狂気」 精神医療と社会』 芹沢一也編著 朝日新聞社 2007.7

精神病者と私宅監置』 橋本明 六花出版 2011.12

『幻視する近代空間 迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶』 川村邦光 青弓社 1997.1

 

 精神病者監護法国立公文書館デジタルアーカイブ

 

『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』国立国会図書館デジタルコレクション)

データのタイトルが「精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的視察」になっていますが、序文等では「精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察」と書かれているので、内容は『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』と同一のものだと思います。

精神医学の大家・呉秀三らによる実地調査のまとめです。写真などもあり読んでいてつらくなるところもありました。

 

まだちゃんと目を通していないのですが、国立国会図書館デジタルコレクションを「監置」で検索すると、当時の統計なども出てくるので参考になるかもです。