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沼田女子高校生殺人事件 3

前の記事のつづき。これで終わりです。

 

当時、現場付近では同年4月に女子中学生が暴行される事件があり、他にも何件か同様の事件があったため、今回の事件と関連があるかもしれないとして、沼田署は同様の被害があれば届け出をと市民に呼びかけた。

 

また、1974年5月21日の上毛新聞には「未解決になっている霧積山女性殺人事件との類似点が多いため、同本部も関連性を棄てていない」という文章がある。

 

この事件のことは全く知らなかったのだが、Googleで検索してみたところ、1972年8月に群馬県碓氷郡松井田町で起きた殺人事件のようだ。

地理的にも離れているし個人的にはそこまで共通点はないと思ったが、詳しく調べてみると違うのだろうか。

 

捜査本部は現場付近の捜索と聞き込み捜査を続けた。

5月23日までには可能な範囲の捜索をすべて終えており、なくなったYさんの衣類や凶器の発見は困難になってきた。

有力情報も得られていなかった。

 

現場からは毛髪四本が採取され、道路から山林に入ったところに不鮮明な足跡が発見されたが、犯人につながる手がかりにはならなかった。

犯人の残した体液なども分析されたが、時間が経ちすぎていたため血液型は特定できなかった。

 

この事件で県警はのべ10万1910人の捜査員を投入。1万2千340人を調べ、うち約100人を徹底的に調べたが、犯人の特定には至らなかった。

事件から5年後の1979(昭和54)年、捜査本部は解散した。

 

時効の約1ヶ月前である1989(平成元)年4月6日、沼田署の専属班は、国道などに情報提供を呼びかける看板を立てた。

また協力依頼のチラシを作成し、町内で再度聞き込みを行った。

しかし残念ながら、成果が上がらないまま事件は1989年5月18日午前0時に時効を迎えた。

 

以上が事件のあらましである。

 

新聞記事には、Yさんについて「頭はいいし、家事は手伝うやさしい気持ちの娘さんだった」(上毛新聞 1974/5/20)と話す近隣住民の言葉や、Yさんの人柄を表す様々なコメントやエピソードが載っている。

 

しかし特に胸をつかれたのは、事件当日にYさんが持っていた手提げバッグに「数学のノート、におい袋、むすび、アグネス・チャンのプロマイドと千二百四十一円入りのサイフ」が入っていたという記述(上毛新聞1974年5月21日1面)だ。

 

この日は通常の授業がなかったので持ち物がいつもより少なかったのだと思うが、その少ない持ち物の中に芸能人のプロマイドとにおい袋を入れているところに、少女らしい心の機微を感じ、Yさんの姿を目前に見るような思いがした。

 

事件が未解決となったことが残念だ。Yさんのご冥福をお祈りしたい。

 

 

参考

朝日新聞群馬版 1974(昭和49)年5月21日付朝刊12面

朝日新聞群馬版 1974(昭和49)年5月22日付朝刊12面

朝日新聞群馬版 1989(平成元)年4月7日付朝刊27面

上毛新聞 1974(昭和49)年5月20日付朝刊1面

上毛新聞 1974(昭和49)年5月21日付朝刊1面

上毛新聞 1974(昭和49)年5月21日付朝刊11面

上毛新聞 1974(昭和49)年5月22日付朝刊1面

上毛新聞 1974(昭和49)年5月24日付朝刊7面

上毛新聞 1989(平成元)年4月7日付朝刊20面