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都市伝説「イツキのアトリエ」の真相

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1.都市伝説「イツキのアトリエ」とは

インターネット上で語られる都市伝説の一つに、「イツキのアトリエ」というものがある。

それはこんな話だ。

 

全国の公立図書館のうち特定の館に、『イツキのアトリエ』という画集がある。

出版社が出したものではなく、市販のスケッチブックに絵が描かれたもので、図書館のバーコードも貼られていない。

そこに描かれているのは、一組の男女が何通りもの方法で醜い顔の男に惨殺される様子。

凄惨な内容に、見ているものは卒倒したり発狂したりするという。

これを処分したり人目につかない場所にしまったりすると、描かれているのと同じ目に遭う。

見つけてすぐに燃やしたとしても、また別の図書館に出現するという。

 

2.Wikipediaに「イツキのアトリエ」が載っていた?

この「イツキのアトリエ」は、2007年の2月にインターネット上に出現したのが始まりだ。

5ちゃんねるのスレッド「★★★★★★★★★★都市伝説★★★★★★★★★★」に、

892 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 00:55:37 id:TFqqgwnlO

Wikipediaの都市伝説のところに『イツキのアトリエ』ってあるんだけど初めて知った。
詳細知りたいんだけど有名なのかな?

 

903 :本当にあった怖い名無し :2007/02/07(水) 12:26:44 id:ednoyJto0
『イツキのアトリエ』
全国にある公立図書館の中でも、
特定の図書館にだけ収容されていると言われている絵画の画集のタイトル。
その画集に描かれている絵画が世にも怖ろしいため、
見た人は発狂したり、卒倒すると言われている。
また、その本を処分しようとしたり、人目に付かない所に保管しようとすると、
絵画に描かれている事と同じ目にあうと言われている。

 

という書き込みがある。

現在のWikipediaの「都市伝説」の項目には、イツキのアトリエに関する記述はない。

Wikipediaの「都市伝説一覧」という項目は2007年3月に「都市伝説」の項から分割されてできたもので、それ以前は「都市伝説」内に色々な都市伝説が掲載されていた。

その一つとして「イツキのアトリエ」が追加されたのは、2007年2月1日 (木) 17:21。

そしてその2週間後の2007年2月15日 (木) 05:10には削除されている。

ノート:イツキのアトリエ」についてを読むと、

 

この都市伝説の出典について明らかにしていただく事を望みます。ですが、「都市伝説」という性質上、明確なソースを提示するのは難しいと思われますので、もう少し詳しく記述していただく事を、執筆者の方にお願いします。

 

と出典を求めるコメントがついており、それに対して

 

この執拗なマルチポストに辟易しています。 2月13日の午後2時ごろから20分の間に7件以上の掲示板やスレッドに全く同じ書き込みがありました。
その書き込みのあった掲示板の管理人をしているのですが、IPアドレスとウィキペディアの比較をしたところ一番最初にウィキペディアにこの情報を書き込まれた方とネットの都市伝説関係の掲示板に書き込んだ方は同一人物でした。

 

と書き込んでいる人物がいる。

そして、

 

お返事遅れてすみません。無視してるつもりはないのですが、よくやり方が分からないのでここに、このような形で書かせてもらいます。この話は僕自身が聞いた話で、タイトルも聞いたまま載せています。でもメジャーな話以外は載せてはいけないと知りませんでした。決して悪気は無かったんです。すぐ削除依頼します。色々とご迷惑かけてすみませんでした。

 

と執筆者が謝罪している。

また「都市伝説」の変更履歴から2007年2月15日 (木) 05:10の会話を見ると、

 

「イツキのアトリエ」初版執筆者の方へ。この記事をwikipediaから消したい場合、即時削除の依頼をすればよいようです。

 

とあり、執筆者がこのアドバイスに従って即時削除の依頼をしたことが推測される。

 

ちなみに、Wikipediaの「都市伝説」内にあった「イツキのアトリエ」の説明は以下の通り。

 

全国にある公立図書館の中でも、特定の図書館にだけ収容されていると言われている絵画の画集のタイトル。その画集に描かれている絵画が世にも怖ろしいため、見た人は発狂したり、卒倒すると言われている。また、その本を処分しようとしたり、人目に付かない所に保管しようとすると、絵画に描かれている事と同じ目にあうと言われている。

 

「イツキのアトリエ」という見出しにはリンクがついており、クリックすると「「『イツキのアトリエ』」を作成中」というページに飛ぶ。

そこを見るに執筆者は「イツキのアトリエ」の個別記事も作っていたが、2007年2月13日 (火) 22:10に削除されたようだ。

 

3.2007年2月13日のマルチポスト

前項で引用したとおり、Wikipedia「ノート:イツキのアトリエについて」には、

 

この執拗なマルチポストに辟易しています。 2月13日の午後2時ごろから20分の間に7件以上の掲示板やスレッドに全く同じ書き込みがありました。

 

という記述がある。

ディープ・ダンジョン~夕庵~」というブログの2007年2月17日の記事「イツキのアトリエ」に、それを裏付ける文章がある。

 

この1週間ほどの間に、あちらこちらの都市伝説系掲示板ならびにWikipediaに「イツキのアトリエ」なる話が相次いで投稿された。うちのサイトにもそういう投稿の一部があったため、ここでネタにするものだ。これらの投稿は典型的なマルチポストだったために、どうやら各掲示板を巡回する習慣を持つ人たちから不興と不信を買う結果に終わったようである。もちろん、投稿者は同一人物だった。

 

この後にも詳しく状況が書かれており、当時の流れがわかる。

また同記事内には

 

この一件に関しては「うまい棒バカ一代」のメリケンオタマさんが投稿者本人に事の仔細を問い正しており、そのやり取りによれば、投稿者自身もこの話を作為的に広めようとしたことは認めている。

 

という記述がある。

うまい棒バカ一代(現:都市伝説広場)の当時の掲示板(「都市伝説掲示板」。ウェブアーカイブで閲覧)で、やり取りの文章を確認した。

 

タイトル:イツキのアトリエ

日時: 2007/02/13 14:16

名前: モロモロ谷

全国の公立図書館のうち、特定の図書館にだけ置いてあると言われている画集のタイトル。
ただ、画集と言っても、出版社から出された本ではなく、市販されているスケッチブックにそのまま描かれているらしい。
また、そのスケッチブックには、貸し出し用のバーコード等は一切貼られてなくて、
いつから図書館にあって、どこの棚に置かれているかも謎であるらしい。
そして、そのスケッチブックに描かれている絵とは、一組の男女が、幾通りものパターンで醜い顔の男に惨殺されているという怖ろしい内容になっていて、
高い画力で残虐的に描かれた絵のリアリティと、醜い顔の男から放たれているおぞましい程の憎悪の念に、
見ている者は発狂したり卒倒すると言われている。
また、このスケッチブックを見つけ、勝手に処分しようとしたり、
人の目に付かない所に保管しようとすると、絵画に描かれている事と同じ目にあうと言われていて、
例え、見つけてすぐ燃やしたりしても、自分に不幸が降りかかるだけで、スケッチブックは、
以前置いてあった図書館とは違う図書館に、いつのまにか収容されているらしい。

この話について詳しく知ってる人教えてください!

 

これには「同じような話を聞いたことがある」というレスが付いている。

 

タイトル:同じかどうかは解らないけれど。( No.1 )

日時: 2007/02/13 17:23

名前: 十叶 夕海

私も、同じような話を聞いたことがあります。
それは、こんな話です。

今から、10年以上前、小学校には逝ってしばらくした頃。
『私』は、暇さえ、あれば、図書館に通っていました。
もちろん、読むのは、児童の部の絵本や簡単な小説だけです。
それでも、たまに、青年の部の画集なんかを見に行くんです。
キレイだからだと思います。
その季節の始めに、おかしな物をみつけました。
普通の・・・・といっても、『私』が知っているよりも、高価なスケッチブックをそういう画集の書棚でです。
出版社など書いていない、普通のスケッチ。
一番始めに、『私』にも読める範囲での、漢字でこう書かれていたと言います。
【これを手に取った人へ
 これは、私を裏切った最愛の人と親友への復讐の絵です。
 貴方は、これを手に取ったことを誰にも言ってはいけません。
 不幸になります。】
その内容は、モロモロ谷さんと一緒。
リアリティ満載で、一組の男女が、醜い男に惨殺される物と言う。
でも、その頃の年頃って、恐いもの見たさって感じものあるじゃないですか。
ふるえながらも、最後まで見て、元の位置に戻しました。
それから、しばらく、その季節が終わる頃まで、そのスケッチブックはあって。
次の季節に印が降りた時に、無くなったそうです。
そして、違う図書館に現れたと、数年後の司書さんの噂を聞いたそうです。
また、彼女は、それから妙なもの・・・この世でない物を見るようになったとか。


私が聞いたのは、こんな感じです。
参考になりましたか?

 

さらに管理人のメリケンオタマ氏から最初の情報源をたずねるレスが付いており、以下のような回答が書き込まれた。

 

メリケンオタマさん
これは去年の暮れに学校の友人と怖い話をしてるとき友人から聞いた話です。友人はお姉ちゃんから聞いたといってましたがそのお姉ちゃんは誰から聞いたかはわかりません(><;)あ、あと上記の文章はウィキペディアから引用した文章です。

 

こうして出典を確認したメリケンオタマ氏は、書き込み者に意図を問いただす。

 

タイトル:Re:イツキのアトリエ( No.4 )

日時: 2007/02/14 01:31

名前: メリケンオタマ

さていろいろ聞きたいことがあるのですが、
なぜ13日の午後2時頃から各都市伝説サイトや2ちゃんねるにいっせいに同じ文章を投稿されたのですか?
私がざっと確認されているだけでも20分程度の間に合計7つの掲示板やスレッドに同じ文章がかかれていましたよ。

ウィキペディアに「イツキのアトリエ」を載せたものモロモロ谷(ザキ)さんですよね?
そしてウィキペディアでたびたび出されてる要・出典をその都度削って何事もなかったようにしているのはなぜですか?

そしてそれだけでは飽き足らずに「イツキのアトリエ」という項目まで新設したのでしょうか?(この項目でも出典などを求められています)

両方の掲示板にマルチポストされていたので、私はこの記事のNO.2の書き込みで情報元をを聞いてみました。

私が勝手に推測しますと、2月1日にウィキペディアに載せてみたものの、特に大きな話題にもならず食いつきも悪かったために我慢できずに(多くの人に知ってもらいたいのか、自分で考えた話なのかわかりませんが。)13日のマルチポストに及んだものだと思われます。

正直この話についてどうこう議論するのは不要だと思いますね。

 

タイトル:Re:イツキのアトリエ( No.5 )

日時: 2007/02/14 03:49

名前: モロモロ谷

メリケンオタマさん
色々な掲示板に同じ投稿をしたのは確かに僕ですが、理由は単純にこの都市伝説について詳しい情報を得たかったからです!そしてウィキペディアに載せたのは僕じゃありません!!たまたま、今日ウィキペディアの都市伝説の欄を見たら、友人が言ってた話が書いてあったので、テンションが上がって色々な掲示板に書いて情報を集めようとしただけです!そして現に十叶 夕海さんのおかげで男女と醜い男の関係性もわかりました。本当に感謝です。

 

タイトル:Re:イツキのアトリエ( No.6 )

日時: 2007/02/14 04:24

名前: モロモロ谷

・・・すみません!たしかにウィキペディアに載せたのは僕です。嘘ついてごめんなさい!確かにこの話を広げたいって気持ちはありました。・・・でも自分だけが知った怖い話って人にも教えたくないですか?僕はこの話をもっと詳しく知って、より充実させて、いろんな人に知ってほしかっただけなんです。だからウィキペディアに載せたんです。嘘ついたことは謝ります。すみませんでした。でも悪意はなかったんです。

 

これを見ればもう何があったかは一目瞭然だ。

この人物、Wikipediaに「イツキのアトリエ」を載せたことを最初は否定するなど、謝ってはいるがなかなか図太い。

 

都市伝説ウェブサイトと5ちゃんねるにマルチポストがされたとのことだが、おそらくサイトの閉鎖やBBS・掲示板のサービス終了のために、あまり都市伝説サイトでのマルチポストは見つけられなかった。

 

5ちゃんねるでは、以下のスレッドに「イツキのアトリエ」の書き込みがあった。

都市伝説&陰謀論

書き込み日時:2007/02/13(火) 14:08:23

ID:OS5uA9fL0

あなたの知ってる都市伝説

書き込み日時:2007/02/13(火) 14:10:29

やりすぎコージー 都市伝説

書き込み日時:2007/02/13(火) 14:11:34

ID:OS5uA9fL0

3つとも「都市伝説掲示板」と全く同じ文章である。

③では次のレスで「マルチめ」と言われており苦笑してしまう。

 

メリケンオタマ氏が書いているように、Wikipediaに項目を立てたのに話題にならず、2/6・7に前述のスレッド「★★★★★★★★★★都市伝説★★★★★★★★★★」で自作自演をしてみたが特に反応がなかったため、2/13のマルチポストに及んだのだろう。

 

個人的には、掲示板でレスをつけている「十叶 夕海」も同じ人物だと思う。

2/13の14時台に各所にマルチポストしたものの思うような反応がなく、自演をしたのではないだろうか。

さらに言えば、この人物は謝罪しつつも「イツキのアトリエは本当にある話」と主張し続けているが、私にはそれも疑わしいように思える。

これだけの書き込みをして、同様の話を聞いたと発言しているのが「十叶 夕海」のみだからだ。

 

4.なぜ「イツキのアトリエ」は今日まで生き残ったか?

マルチポストをした人物はよほど「イツキのアトリエ」を広めたかったようだが、やり方が下手すぎた。

「八尺様」「コトリバコ」「ひとりかくれんぼ」など、インターネットで生まれて有名になった怪談や都市伝説は多数ある。

意図的に不確かな話を広めることを肯定するつもりはないが、他にやりようがあったのではないか……。

 

と思うが、意外にも「イツキのアトリエ」は現在も生き残り、都市伝説系ブログなどに掲載されている。

『眠れないほど面白い都市伝説 驚愕篇』(並木伸一郎 三笠書房 2015)という書籍にまで載っていた。

時代の経過やかつてあった個人サイトの消滅等により詳しい事情を知る者が少なくなり、そういうことを知らずに「イツキのアトリエ」のレスを見た者がそれを転載する……

という流れがあったことが推測されるが、「イツキのアトリエ」の生き残りにはその裏に面白い原因がある。

それは、マルチポストされた5ちゃんねるのスレッドの一つあなたの知ってる都市伝説で「イツキのアトリエ」の書き込みについたレスだ。

 

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/02/13(火) 14:10:29

イツキのアトリエ

全国の公立図書館のうち、特定の図書館にだけ置いてあると言われている画集のタイトル。
ただ、画集と言っても、出版社から出された本ではなく、市販されているスケッチブックにそのまま描かれているらしい。
また、そのスケッチブックには、貸し出し用のバーコード等は一切貼られてなくて、
いつから図書館にあって、どこの棚に置かれているかも謎であるらしい。
そして、そのスケッチブックに描かれている絵とは、一組の男女が、幾通りものパターンで醜い顔の男に惨殺されているという怖ろしい内容になっていて、
高い画力で残虐的に描かれた絵のリアリティと、醜い顔の男から放たれているおぞましい程の憎悪の念に、
見ている者は発狂したり卒倒すると言われている。
また、このスケッチブックを見つけ、勝手に処分しようとしたり、
人の目に付かない所に保管しようとすると、絵画に描かれている事と同じ目にあうと言われていて、
例え、見つけてすぐ燃やしたりしても、自分に不幸が降りかかるだけで、スケッチブックは、
以前置いてあった図書館とは違う図書館に、いつのまにか収容されているらしい。

この話について詳しく知ってる人教えてください!

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/02/13(火) 15:34:26

おまえが1番詳しいよ

 

これが、5ちゃんねる内で笑えるレスを紹介する複数のスレッドに転載された。

これにより「イツキのアトリエ」はオカルト板住人等事情に詳しい者以外の人々の目に触れ、また面白いレスとしてほそぼそとコピペされ続けた。

そのうちに「面白いレス」ではなく「都市伝説の内容」の方に注目されるようになったのではないか。

このようなレスがついたのも書き込み者の前のめりな文章があったからこそであり、「お粗末」に見えたやり口がまさかの成功につながった興味深いケースである。

本の食べ物「ミンスパイ」

私はひねくれものなのでこの季節にミンスパイの記事を書きますが、紹介するものは昨年の12月に食べたものです。クリスマスの時期以外には販売されていないと思いますので、ご注意ください。

 

ミンスパイとは、りんご、ぶどう、レモン等のドライフルーツでつくったミンス・ミートを入れた独特の形のパイで、イギリスでクリスマスに食べられているものです。

かつて「ミンス・ミート」にはその名のとおり肉が入っていましたが、徐々に現代の甘いパイに変化したそうです。

イギリスのクリスマスには欠かせないもののようで、いろいろな小説に出てきます。何かは忘れたのですが子どもの頃からちょくちょく目にしていて、最近読んだものだとデイヴィッド・ミッチェルの『クラウド・アトラス』に登場していました。

 

クラウド・アトラス』も面白いのですが、私が紹介したいのは19世紀イギリスの作家エリザベス・ギャスケルの『シルヴィアの恋人たち』。

シルヴィアという美しい田舎娘と二人の男性の恋愛模様を軸にすえた歴史小説です。

恋愛と言ってもそこに書かれているのはキラキラした美しいものではなく、行き違いや失敗。そうしてシルヴィアたちが運命に翻弄される様子を通して、人間の生き様が表されています。

シャーロット・ブロンテの友人で彼女の伝記を書いたことでも知られるギャスケルですが、小説も面白いのでぜひもっと広く読まれてほしい。私が強く推している作家の一人です。

 

ミンスパイが出てくるのは、シルヴィアの友人の家で開かれる大晦日のパーティのシーン。

ミンスパイはクリスマスに食べるものと言いましたが、調べてみたら正確には12/25から1/6まで1日1個ずつ食べるものだそうです。

なので大晦日のパーティにもミンスパイが登場するんですね。

 

市ヶ谷にあるSwan & Lionというイギリス料理のデリ&ベーカリーでミンスパイも売られているとのことで、12月に行ってみました。

このお店のミンスパイは直径5~6cmくらい。レシピ本を何冊か見ましたがどれも5cmか6cmの型を使うとあるので、一般的なサイズのようです。

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スパイスの効果かとても後をひく味で、具がぎっしり入っていて食べごたえがあるのに、目の前にたくさん積んであったらつい次々に食べてしまいそうです。私はすごく好きです。

 

ローズベーカリーというお店にもミンスパイがあったので食べてみました。

こちらも6cmくらいの大きさですが、上に乗っているパイ生地の形がちょっと違います。

ミンスパイのこの独特の形は、キリストのゆりかごやおくるみを模したものだそうです。

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スパイスの味はあまり感じられませんが、具に入っている柑橘系の果物(オレンジ?)がアクセントになっています。

具にボリュームがあるうえパイ皮も厚く、こちらもサイズから予想するより食べごたえがあります。

【終了しました】5/6文学フリマ東京に出店します

こちらのイベントは終了しました。

ブースに来てくださった方、本を買ってくださった方、ありがとうございました。

とても楽しい時間が過ごせました。

無料配布がすぐ終わってしまうなど準備不足のところがあり、反省しています。次の機会には改善できるようがんばります。(5/8)

 

 

2019年5月6日に行われる第二十八回文学フリマ東京に出店します。

ブースNo.は「ウ-34」です。

新刊2冊を頒布予定です。

※無料配布本作りました。いちばん下に情報を追加しています。(5/3)

 

新刊その1

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 『深界調査記録』 A5 60ページ 300円

ブログに掲載した「ジェイソン村」などの記事3つ+新記事一つをまとめました。記事はすべて、気になった現実の事件や物事を調べたノンフィクションです。詳細は以下の画像をご覧ください。

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ちょ古っ都製本工房様で印刷していただきました。一度印刷所に依頼して本を作ってみたかったので感無量です。

 

文学フリマの紙のカタログだとたぶん「グラン・ギニョル」の記事があることになっているのですが、書籍での情報が多いテーマなので、私の記事は紙でまでいらないかなと思い収録をやめました。

 

 

 新刊その2

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 『こんひさん』 A6 16ページ 100円

掌編小説集(コピー本)です。数行で終わるものもあります。いろいろですが、あえて言うなら幻想・怪奇系?

お試しで、自分でいちばん気に入っている鳩女の話を載せます。

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無料配布

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 『夢で読んだ本』 A6 8ページ 無料配布

以前夢うつつの状態で読んだ本を再現したもの。画像を見たらわかるとおり、読めるところは少ないです。

ふと思い立ってつくり、印刷しながら微調整していたので、インクの濃さがものによって違うなどかなりゆるめのつくりです。

ちょっとだけ持っていくのでご希望の方にさしあげます。
 

参加される方、ご興味のある方いらっしゃいましたらよろしくおねがいします。

本の食べ物「jello」

アメリカの児童文学作家ルイス・サッカーの作品を読んで面白かったので、原書で読んでみたいと思い文章が簡単そうなSomeday Angelineを手にとりました。

インターネットで見た感じだと、勉強の一環として読んでいる人が多いようです。英語学習に向く本としてどこかで薦められているのでしょうか? 

主人公のアンジェリンは、8歳の天才少女。飛び級をしている彼女はクラスに馴染めず学校では孤独なのですが、そんなアンジェリンがゲイリーという友人を得るきっかけになるのが、ランチのシーンです。

そこでアンジェリンが食べているのが"a peanut butter and jello sandwich"。

アンジェリンはジャムよりjelloのほうが好きだと書かれています。

ピーナッツバターとジャムのサンドイッチは、北米の定番のお弁当というだけあって、他の本でもよく見かけます。

ただアンジェリンが好きなjelloってなんだろう?インスタントのゼリーらしいけどパンに挟んで食べるものだろうか?と気になりました。

 

なので、買って食べてみました。

北米でピーナッツバターとジャムのサンドイッチによく使われるのはぶどうジャムかいちごジャムらしいので、ぶどう味のjelloを買いました。

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7cm×8.5cmくらいのパッケージ。開けると茶色い袋に粉が入っていて、これを熱湯1カップに溶かしたあと冷水1カップと混ぜて冷蔵庫で4時間置くと完成です。

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すごく紫。

ジャムと食べ比べたいと思い、まずピーナッツバターといちごジャムのサンドイッチを作って食べましたが、酸味とピーナッツバターがあまり合わない感じ……。

ピーナッツバターは甘くないのを使うと聞いた記憶があるので、SKIPPYクリーミーを使いました。

次にjelloをピーナッツバターの上に塗ってみたのですが、弾力があるので塗りにくい。

サンドイッチにするなら、うすく板状に切って挟んだほうが仕上がりがいいかも。

ジャムのように使うにはゼリーは味が薄いのでは?と危惧しながら食べたのですが、意外にいけました。

酸味とピーナッツバターのコンビにはジャムで慣れたし、弾力がある歯ごたえも意外に気にならない。

予想よりいい感じでした。

ただ私は家族や友人からよく味覚がずれていると言われます。あくまで自分の中での感想です。

 

ちなみにサンドイッチにも使われる北米のぶどうジャムの原料は、コンコードブドウという品種だそうです。

『バンヴァードの阿房宮』という本に、このコンコードブドウを作り出したイーフレイム・ウェールズ・ブルという人についての章があります。

面白い本なのでおすすめです。

都市伝説:黒い目の子どもたち(black-eyed children/black-eyed kids)

1.1.黒い目の子どもたち(black-eyed childrenまたはblack-eyed kids)とは

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黒い目の子どもたち(black-eyed childrenまたはblack-eyed kids)と呼ばれる都市伝説がある。

白目のない、真っ黒な目をした不気味な子どもたちにまつわるものだ。

black-eyed kidsを略した”BEK”という略称がよく使われているようなので、以降記事内ではBEKと表記する。

 

1.2. BEKの行動

BEKは、前述のとおり真っ黒で白目のない目をした子どもだ。

肌は青白く、年齢は6~16歳で、大きめの子とそれより年下の子という年齢の異なる2人でペアを組んでいることが多い。

BEKの目撃情報は多くあるが、夜に突然家や車にきて中に入れてほしいと要求する、というのがよく報告されるストーリーだ。

中に入れてほしい理由として、「トイレを貸してほしい」とか「電話を貸してほしい」などと言ってくる。

言葉遣いは丁寧だが、断られても同じセリフを繰り返したりとてつもなく恐ろしい雰囲気を漂わせていたりと、尋常ではない様子があるようだ。

遭遇者は、はじめはただの子どもと思って相手をするが、そういった異様な様子、何より目が真っ黒なことに気づき、彼らの要求を断る。

BEKの要求に応えるとどうなるのかは不明である。

 

2.1.インターネット上の動向

BEKは1950年代から語られていたとか、イギリスで30年前にも目撃されているという情報もあり、古くから存在するとされる。

しかしBEKの話が広く知られるようになったのは、近年インターネット上で流行してからだ。

発端は、アメリカの記者ブライアン・ベセルが1998年にオカルト系メーリングリストに書いた記事であるとされる。

 

2.2.ブライアン・ベセルの目撃談

ベセルは1996年の夜、テキサス州のアビリーンでBEKに遭遇したという。

ベセルが映画館の前に車を止めて小切手を書いていたところ、サイドウィンドウをノックする者があった。

見るとフード付きのトレーナーを着た9~12歳くらいの男の子2人組。

窓を開けて話を聞いたところ、映画を見に来たがお金を忘れてしまったので、お金を取りに行きたいから家まで送ってほしいという。

窓を開けたときからなぜか恐怖を覚えていたベセルだが、彼らが真っ黒な目でこちらを見つめているのに気づき、激しい恐慌に陥って謝りながらウィンドウを閉めた。

子どもはウィンドウを叩きながら、「入っていいと言ってもらわないと入れない。中に入れろ!」と言ってきたが、ベセルはそのまま車を出して走り去ったという。

彼の名はBEKとともに有名になり、いろいろなところから問い合わせが来ているそうだ。

アメリカのテレビ番組Monsters and Mysteriesでこの体験を語ったこともあるという。

ベセルは自分が見たものは恐ろしい存在であると考えており、彼らを車に乗せていたら今生きてはいなかっただろうとコメントしている。

 

ベセルの体験談はこちらから読める。

BEKが見ようとしていた映画が「モータル・コンバット」だったとか、小切手はインターネットプロバイダーの料金支払いのためのものだとか、個人的には信じていないのだが妙にリアリティのある細かい記述があるのが面白い。

 

2.3.2013年の大流行

ベセルの体験談がインターネット上に登場してから、オカルト系のサイトにBEKの話が投稿されるようになったが、本格的な流行は2013年に起こった。

その背景にはRedditのような新しいSNSの流行や2012年に作られたホラー映画Sunshine Girl and the Hunt for Black Eyed Kidsの影響もあるが、大きな原因は2013年2月に投稿されたMSNの動画だという。

超常現象を扱うインターネット上の番組Weekly StrangeがHaunting black-eyed kidsという動画をMSNにアップし、これがBEKをインターネット上で広めたとされる。

vimeo.com

映画Sunshine Girl and the Hunt for Black Eyed Kidsのトレーラー映像やその他インターネット上に存在するBEKの画像や情報をまとめた動画のようだ。

 

ちなみに映画Sunshine Girl and the Hunt for Black Eyed Kidsは、YouTubeで公開されている人気ホラー番組Haunted Sunshine Girlのスピンオフ映画で、主人公の少女Sunshineが失踪した人物を追ってBEKの存在を突き止めBEKと対立するというようなあらすじだそうだ。

YouTubeで視聴することができる。

監督のニック・ハーゲンは、キックスターターで資金を集めてこの映画をつくった。

彼は、以前からインターネット上で噂されてきた都市伝説BEKに魅力を感じていたとコメントしている。

 

この流行から5年以上が経とうとしているが、Redditを見るとBEKについての投稿や議論が未だ活発であることが伺える。

 

2.4.イギリスでの目撃談

2013年にはイギリススタッフォードシャー州のキャノックチェイスでもBEKの出現が報告され、タブロイド紙などで報道された。

キャノックチェイスのあるパブはかなり安値で売りに出されているが、黒い目の小さな女の子が出るため売れないという。

また地元の超常現象研究家リー・ブリックリーは、地元の女性のBEK目撃談を自身のウェブサイトに掲載している。

その女性が娘と渓谷を歩いていたところ、子どもの悲鳴が聞こえた。

彼女は悲鳴の元を探したが見つからず、ふと後ろを向くとそこに10歳に満たない年の女の子が立っていた。

その子は手で目を覆っていたが、女性にあなたが叫んでいたのかと聞かれると手を下ろし、真っ黒な目を見せたという。

これは1980年代にブリックリーのおばが遭遇した女の子の事例と似ていると彼は言う。

またキャノックチェイスに出るBEKの特徴は、夜でなく日中に出ることだとも解説している。

 

3.1.BEKとは何か?

BEKの正体については、吸血鬼、地球外生命体、悪魔などいろいろな意見があるそうだ。

ベセルの事例でBEKが「良いと言ってもらわないと自分たちは中に入れない」と言うところは、招かれないとその屋敷に入れない吸血鬼のようである。

サイエンスライターシャロンヒルは、BEKは「友人の友人」の話、典型的な都市伝説であるとの見解を示している。

また彼女は、BEKについての目撃報告は、警察の報告書などの裏付けを持たないとも述べている。

Snopesの記事はBEKのルーツをたどったうえで、BEKは「ビッグフット」と同じような存在だとし、BEKが実在する超常的存在であることを否定している。

どちらもインターネット上の目撃報告を事実として受け入れる理由も根拠もほとんどないとしており、私もその意見に賛成だ。

シャロン・ヒルの記事は私にとってまったく納得できるものである。

BEKの実在を信じる方がこのような意見をどう思われるかはわからないが……。

 

3.2.結論

個人的に、BEKがインターネットで流行した理由には「手軽さ」があるように思う。

 

1)遭遇のパターンが定まっているため、自分が遭遇したという話を作りやすい。

2)結局は「変わった目と雰囲気の子どもに出会った」という話なので、幽霊や悪魔より身近かつ大げさすぎない印象がある。つまり心理的なハードルが低い。

3)SNSに投稿して適度に注目を集められる話題である。

 

上記3点は意図的にBEKとの遭遇をでっちあげる人間の心理を素人なりに推測したものだが、2はBEKに出会ったと信じている人の気持ちにつながるところもあると思う。

BEKの特徴は「変わった目と雰囲気の子ども」というだけなので、錯覚や勘違いによる思い込みが起きやすいのではないだろうか。

暗いところで変な子どもに出会ったというだけの体験が、BEKの存在という知識を通して、超常的存在に出会った体験に変化してしまう。

そしてこの身近さは、いたずらや悪ふざけを好むものにとっても好都合だろう。

SNS隆盛の現代にはぴったりの存在だと思う。流行のピークはすぎたようだが、しばらくは根強く語られ続けそうだ。

 

参考

宇佐和通 『最新都市伝説の正体』 祥伝社 2014

並木伸一郎 『眠れないほど面白い都市伝説 驚愕篇』 三笠書房 2015

 

Black-eyed children Wikipedia

Here’s the actual story behind the ‘black-eyed ghost children Daily Edge

 

Bethel, Brian Brian Bethel recounts his possible paranormal encounter with 'BEKs' Abilene Reporter-News

Brickley, Lee Return Of The Black Eyed Children Paranormal Cannock Chase

Clench, Sam Black eyed children: Real, or just a creepy myth? news.com.au

Hill, Sharon Behind black eyes: Reports of spooky black-eyed kids JREF

Lockley, Mike Black Eyed Child returns to haunt Cannock Chase Birmingham Mail

Mikkelson, David Black-Eyed Children Snopes

Prof. Geller Black-eyed Children Mythology.net